業績相場 2004 12 4
今は、金融相場から業績相場になったと言われます。
そこで、東証一部に上場している企業の業績を調べてみると、
確かに、割安な銘柄が、数多く存在します。
たとえば、ある銘柄は、PER(連予)が、10倍程度で、
来期も成長しそうです。
週足チャートで見れば、底固めをしているように見えます。
だから、中期や長期の投資家は、この銘柄を買いたいと思うでしょう。
しかし、おそらく、買うこともできないし、
たとえ、買ったとしても、今度は売ることができないでしょう。
なぜかというと、流動性の問題があるからです。
とりあえず、この銘柄の板情報を見てください。
これでは、いくら好業績で、割安な銘柄と言っても、
買うこともできないし、売ることもできないでしょう。
少なくとも、数億円や数十億円の資金を運用する外国人投資家や機関投資家には、
この銘柄は、買うこともできないし、売ることもできないでしょう。
もちろん、1000株ずつ買い集めることは可能でしょうが、
それは現実的ではないし、手間もかかるでしょう。
個人投資家ならば、どうか。
やはり、同じく、買うことができないかもしれません。
なぜなら、このような板情報の状況では、
少し、まとまった「売り」が出ても、あっという間に、
値が崩れて、株価が急落します。
これでは、恐くて、買えないでしょう。
まるで、新興市場の銘柄のようだと思ったでしょうか。
しかし、東証一部の銘柄も、同じようなものです。
メガバンクやトヨタ自動車は別として、
このような流動性に乏しい銘柄が、東証一部にも数多く存在します。
1対10や1対20のような大規模な株式分割を批判する声がありますが、
流動性が向上するならば、積極的に、大規模な株式分割をすべきです。